防草シートで農地の雑草対策!選び方・敷き方をご紹介
「農地で防草シートを活用したい」
「防草シートってたくさんあるけどどれを選べばいいんだろう?」
防草シートにはたくさんの種類がありますが、目的に合わせたシートを選ぶことで、大きな効果を得ることができます。その効果も面倒な除草作業の省力化だけではありません。今回は防草シートの様々なメリットを始め、種類と特徴、張り方、防草シートのお悩みと解決方法を見ていきましょう。
防草シートを使うメリット
防草シートのメリットといえば雑草の生育を阻害することですが、経費削減や農作業の効率アップにもつながります。設置および張り替え作業の手間は必要ですが、そのデメリットを上回るメリットを持っているのが防草シートです。
メリット1| 雑草の生育を阻害!
防草シートは日光を遮ぎることで雑草の生長を阻害します。また、土壌がシートで覆われることで、飛来した種子の発芽も防ぐことができます。
メリット2| 除草を減らし、経費も削減!
畑に防草シートを使うことで、除草の省力化を図ることができるだけでなく、草刈機の購入費・燃料代や除草剤にかかる経費の削減にもつながります。
メリット3| 病害虫を予防し、薬剤も削減!
雑草を抑制することによって、雑草に起因する病害虫の予防することができ、さらに防除に使用する薬剤の削減にもつながります。
メリット4| 農作業効率のアップ!
ほ場の通路が歩きやすくなり効率的に農作業を行えるようになります。
防草シートの種類と特徴
防草シートには様々な種類があり、購入するときに迷ってしまいます。そこで今回は、素材・繊維形成・色の違いごとの特徴をご紹介するのでご購入の参考にしてみてください。
素材の違い
防草シートで主に使われている素材は、「ポリエステル」、「ポリエチレン」、「ポリプロピレン」です。
長持ちなのは「ポリエステル」
主な防草シートの劣化の原因は紫外線です。ポリエステルは熱や紫外線に強いため、防草シートを長持ちさせたい方におすすめです。ただし、酸やアルカリへの耐久性には劣り、価格が高めになっています。
価格を抑えるには「ポリエチレン・ポリプロピレン」
ポリエチレンとポリプロピレンは、ポリエステルと比べると熱や紫外線には弱いですが、価格が安めになっています。また、酸やアルカリへの耐久性があるのが特徴です。
繊維形成の違い
防草シートの繊維形成には「織布」と「不織布」があります。
価格を抑えるには「織布」
一般的に織布の防草シートは安価です。しかし、織密度が低いと雑草が間から生えてきてしまい、その分耐久年数も短くなっています。
丈夫なのは「不織布」
不織布は繊維がランダムに絡まってできており、雑草が貫通しにくくなっています。より丈夫な防草シートが必要な方は、貫通抵抗力の高いものを選びましょう。
雑草が貫通しようとする力に対してシートが抵抗する力のこと。
不織布の繊維密度が低いものは貫通抵抗力も低く、硬く尖った葉が突き抜けてしまうおそれがあります。
色の違い
防草シートの色には黒、白、緑、茶色などがあります。
高い雑草抑制効果は「黒」
最もスタンダードな色で、様々な種類や価格のものがあります。黒は太陽光を遮る効果が高く、雑草抑制効果も高いです。
果実の着色も行う「白」
白色は光を反射するので、光合成の促進や果実の色づけに利用されます。また、地温上昇を抑制する効果もあります。しかし、黒色の防草シートと比べると、遮光性が低く、雑草抑制効果も低いので注意が必要です。
景観を損ねない「緑・茶色」
景観を守りたい方は緑または茶色の防草シートを選びましょう。周りの植物や土と馴染み、景観を損ねません。しかし、雑草抑制効果は黒色と比べると少し劣ります。
防草シートの種類が分かったニャン!
次は張り方を見ていくニャン!
防草シートの張り方
防草シートを丁寧に張ることで、効果を最大限に発揮させましょう。防草シートを張る手順は以下の通りです。
1. 場所を整える
まずは、除草と石や尖ったものの除去、土を平らにする作業を行います。この作業を怠ると、防草シートにシワがより、シワに溜まった土に雑草が生えてしまいます。また、尖ったものは防草シートを破ってしまいます。除草に除草剤を使用することで隙間からの雑草の発生を予防できます。
2. 防草シートを敷く
シワがよらないように丁寧に敷いていきましょう。シートの重なりは10cmが目安です。
3. ピンを刺してシートを固定する
ピンを50cm間隔で刺していきます。シートの中央にもピンを刺すことで綺麗に張ることができます。
Uピン杭 黒丸
黒丸に2種類の穴があります。大きな穴に杭を通すと杭の上部が出ないので、通路などの使用に最適です。小さな穴に通すと杭の上部が出て、抜き差ししやすいので、ベタ掛け栽培に最適です。
ピンが黒丸にはめ込まれたタイプも販売されています。
防草シートのお悩みと解決方法
たくさんのメリットのある防草シートですが、設置作業の大変さや水はけなどは気になるところ。しかしこのようなお悩みは、シート選びや敷く前の準備で解決することができます。
お悩み1| 設置・交換は大変?
防草シートの設置は除草作業から始まり、シートの敷き詰め、ピンの打ち込みなど労力を要します。また、防草シートには耐久年数があり、劣化したら交換が必要です。
面積が広くなるほど設置が大変になっていきます。重量が重いと扱いにくく作業が大変になってしまうので、出来る限り軽いものを使用しましょう。軽さと耐久性のバランスを見極めて購入するようにしましょう。
・耐久年数の長く、重量の軽いシートを使う
・幅の広いシートを使う
お悩み2| 水はけが心配
畑や家庭菜園で使う防草シートは水はけがいいものばかり。防草シートの上に水が溜まってしまう場合は、地面の水はけが悪く、防草シートの上まで浸水している可能性があります。土壌改良や暗渠など、地面の排水性を向上させるようにしましょう。
・土壌自体の水はけを見直す
・土壌改良や暗渠の設置など
お悩み3| シートの隙間には雑草が生える?
防草シートをつなぎ合わせて使う場合、隙間があるとどうしてもそこから雑草が発生してしまいます。設置前の除草作業を丁寧に行い、シートは重なるように設置しましょう。
・設置前の除草作業を丁寧に
・シートとシートの間は10cm以上重ね合わせる
お悩み4| シートが剥がれたら?
固定するピンの間隔が広いと、雨風などによって防草シートが剥がれてしまう場合があります。ピンの間隔を広くしすぎないようにしましょう。
・ピンの間隔を50cmに
・シートの中央にもピンを刺す
お悩み5| シートが破れたら?
日光や雨風、人が防草シートの上を繰り返し歩くことでシートが劣化します。耐久年数の高い防草シートを使ったり、破れた部分を補修して対処しましょう。
おすすめの防草シート5選
最後に防草シートを見ていきましょう。繊維の間から雑草が生えてきづらい「不織布タイプ」と、光合成促進や果実の色付け、地温上昇抑制効果など、雑草抑制以外の機能が多い「白色タイプ」、防草と色付け効果を両立させた「白黒タイプ」に分けてご紹介します。
不織布タイプ
雑草が貫通しにくい防草シートです。
ザバーン
ポリプロピレン4層スパンボンド不織布で抜群の耐久性がある防草シートです。長期間にわたり十分な透水性を発揮します。極太繊維と特殊熱圧着により、強靭な防草効果があり、スギナ、チガヤ、ハマスゲなど貫通力の強い雑草におすすめです。
・耐用年数:350G/約10-15年・240G/約7-13年
白色タイプ
白色で日光を反射するので、光合成の促進や果実の色づけにも使うことができます。遮熱性もあるので、シート周辺の地温上昇を抑えます。
ルンルンシート 白ピカ
国産の防草シートです。織布タイプの防草シートですが密度が高く織られているため、高い防草効果と水はけを両立しています。15cm間隔でラインが入っていて、設置作業がしやすいのも特徴です。
素材はポリプロピレンおよびポリエチレンです。
サンホワイト
表面が透水性に優れているので、水が溜まることによる劣化を防いでくれます。菜園用だけではなく、ハウスの通路、花壇・植木まわり、休耕地の雑草抑えなど、幅広く使用することができます。また、抗菌剤およびUV剤が入っています。
・耐用年数:約1-3年(屋外)
白黒タイプ
防草効果と反射を両方兼ね備えた防草シートです。
アグリシート白黒ダブル
表面が白で裏面が黒の防草シートです。表面の白で高反射(反射率90%)と、裏面の黒で遮光(遮光率99%)による防草を両立することができます。20cm間隔・1m間隔に格子ラインが入っているので、設置をする際の目安線となり、非常に作業がしやすいです。材質はポリプロピレンです。
・耐用年数:約7-8年(屋外)
まとめ
タイプ | 防草シート | 特徴 |
---|---|---|
不織布タイプ | 4層スパンボンド不織布で 抜群の耐久性がある 防草シートです |
|
白色タイプ | 密度の高い織布でできており、 高い防草効果を持っています |
|
透水性に優れた防草シートで 抗菌剤およびUV剤が 入っています |
||
白黒タイプ | 表面の白で高反射(反射率90%)と、 裏面の黒で遮光(遮光率99%) が特徴です |
今回は、農業における防草シートの種類や敷き方、おすすめ商品などをご紹介しました。防草シートは除草作業を省力化できるだけではなく、除草にかかる労力やコストの削減なども図ることができます。ぜひ防草シートを活用して、農作業を効率的かつ快適に行いましょう。
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